「数え年」の数え方を考える
生まれた時点ですでに一歳
「数え年」の年齢の数え方は、生まれた時点ですでに一歳とすることにその特徴があります。数え年にはゼロ歳児という概念がないので、生後○ヵ月とはならないわけです。
正月が来るともう二歳に
「数え年」を理解しにくいのは、生まれた年の次の正月が来ると自動的に二歳になることです。誕生日ではなく正月というのが、話をややこしくしています。
例えば大晦日に生まれた子は、産まれた時点で一歳です。翌日、正月を迎えるとたった1日のことでもう二歳となります。生後2日目のゼロ歳児がもう二歳だなんて、どこか間違ってやしませんかね。
元旦生まれの子は常に一歳違い
大晦日の翌日、元旦に生まれた子はどうでしょうか? 生まれた時点で一歳、翌年の正月が来ると二歳となります。 ただしこのとき満一歳となるので、この子は数え年と満年齢がいつも一歳違いとなります。大晦日に生まれた子と1日違うだけなのに、こんなに差が出るなんてなんか変な感じですね。
誕生日はあまり意味を持たない
医学が発達していなかった時代、生まれたばかりの子供の命は、はかないものでした。誕生日に対する思い入れが現在とはかなり違います。 生まれてしばらく日にちが経ち、もう大丈夫そうになってから出生を祝いました。近代になってからも誕生日と出生届の日がまるで違うケースが多かったのは、そのなごりでしょう。 生まれてひと月後のお宮参りや百日祝いの風習が今も残っています。
昔の暦はいまの新暦と違う
明治5年までは旧暦(太陰暦)が使われていました。一か月を月の満ち欠けで表す方法で、毎月15日は十五夜で必ず満月でした。 しかしこのやり方だと一年が11日ほど短くなります。それを補正するため数年ごとに「うるう月」をはさみ一年が13ヵ月の年がありました。太陽太陰暦です。
数え年でやるなら暦は旧暦で?
古来の行事が数え年だからそれに倣うべきだ、との意見をよく耳にします。もし数え年でやるなら暦も旧暦にしないと意味がない、という意見もあります。 正月が来ると一歳増えるやり方だから、いつが正月かで歳が変わります。同時に誕生日も旧暦にしないと「正しい」数え年にはならないでしょうね。
現代の歳の数え方は満年齢
早生まれで学年が違うだけでも違和感があるのに、数え年は実年齢と最低でも1歳、最大で2歳の差が出るのは、いまの実情に合わない数え方です。 現在使われているのは、誤差の少ない満年齢です。○歳○ヵ月といえば、さらに差が縮まります。
七五三はどちらでもご自由に
七五三行事については数え年でも満年齢でもどちらでもいいでしょう。子供の成長を祝うのだから、どこが区切りかは人それぞれです。 満年齢のほかに数え年と、さらに旧暦まで絡めれば、その子の歳がいまいくつかの解釈は大幅に広がります。数えでやってまた満でやって…それもありですね。